1、12月は花屋で一番売れる月
どの業種でもその傾向が強いが、
花屋も12月が一番売れる。
花屋も、さほどでない月と、繁忙月が極端である。
12月、3月、5月が忙しい。
12月と3月は、最初から最後まで忙しい。
5月は「母の日」一発。
それでは、12月の売り方を、
1日から10日までの上旬、
11日から20日までの中旬、
21日から31日までの下旬に分けて見てみよう。
2、12月上旬(1日~10日)
上旬の成否は、お歳暮の取り組みの巧拙である。
お中元の頃は、花業界は分かりやすいギフトの好適品が少ない。
お歳暮は、シクラメンとシンビジウムというギフト好適品がある。
一般的に、お歳暮で売れる価格は3000円。
次は5000円であろう。
でも、ビールや食用油も芸がない。
もらって嬉しいのは、花である。
シクラメンだと、送料箱代込で、5000円から6000円程度。
持ち帰りなら4000円程度で収まる。
要は、他の物でなく花・シクラメン。シンビジウムを贈ろうという気づきを、
感じて貰うこと。
だから1個2個並べるのではなく、
シクラメンなら3000円~6000円程度の商品を、
10個は並べたい。
お歳暮好適品というPOPもしっかり付けておく。
シンビジウムは、1ランク上のギフトになる。
価格で7000円・8000円から1万円超えまで。
花を買うお客様は、そもそもアッパーレベル。
5000円から10000円程度のシンビジウムを10本は並べておく。
お歳暮は、1軒のお宅で、何件か贈ることが多い。
いい商品・いい提案が出来れば、
一人のお客様に複数個買ってもらえる可能性がある。
このお歳暮の提案をするかしないか、
出来る出来ないで、売上が相当程度変わってくる。
12月上旬は、お歳暮の成功如何が、売上如何となってくる。
2、12月中旬(11日~20日)
12中旬は、上旬に比べると売上は落ちる。
お歳暮用途の需要が一巡するからである。
しかしながら、お歳暮は遅くなる傾向があり、
少し単価を落として、売り場を作る必要がある。
5000円狙いのシクラメンがベスト。
中旬は、何と言っても、シクラメンで売上を稼ぐ。
「一家に一台シクラメン!」というほど、
シクラメンは国民的人気がある。
年間の鉢物で、圧倒的に一番売れる。
20日まで出荷が多い。
お歳暮需要が一巡しているので、
市場価格が、少し下がっている。
1つ1000円~2000円で拡販する。
1日10も20も売る。
この価格帯で、お歳暮に使われるお客様もいらっしゃる。
シクラメン・バンバン週である。
3、12月下旬(21日~31日)
下旬からは、24日まで売り場を切り花主体に切り替える。
シクラメンやシンビジウムは売り減らして行く。
肝腎の切り花を置くスペースを、広げて行く。
24日のクリスマスイブに向けて、赤いバラ・カスミソウなどの、
洋花・花束材料強化する。
25日からは、いち早く正月売り場に切り替える。
松市、千両市、南天・葉牡丹・梅市で仕入れたものを、
しっかり並べる。
早く見せたほうが勝ち。
もちろん仕入れてすぐに、奥に並べておいていい。
なんせ、通常の花屋は、年末が一番売れる。
お客様も、少なくとも正月だけは、花を飾る。
それも、玄関、居間、応接間、座敷などに。
だから、買う量が多い。
お正月に相応しい、季節のお花が豊富。
松、千両、梅、ボケ、南天、蝋梅、葉牡丹、水仙など。
大体、28日は通常の6倍、29日も6倍、
30日は7~8倍、31日でも3倍。
この3日間で、3週間分以上売るのである。
尋常ではない。
人員の手配、臨時ストック場所の手配など、
事前準備周到にしなければならない。
いろいろな種類の花が必要だし、価格も高くなるので、
予約相対を上手に活用し、競りも上手に使って、
同じ分量の花を、なるべく安く買わないと、
いい商売は出来ない。
12月は、最大勝負の月。
健康管理に留意して、
全員笑顔で、口角上げて商売しないといけません。
【阿部憲資略歴】
1996年 東京立川に花屋1号店オープン
以降、計30店舗の花屋開設
2001年 株式会社 花良品 代表取締役社長
2001年 日本フローラル協会理事
2007年 株式会社フラワー総研 代表取締役
現在に至る。
【著書(共著)】
「お花屋さんマニュアル」1~4誠文堂新光社
「花屋さんの仕事 基本のき」誠文堂新光社
【TV】
テレビ東京「日比谷花壇 vs 花良品」(30分特番)
テレビ朝日「花良品 vs 青山フラワーマーケット」(30分特番)
NHKBS 「花良品の鮮度保証販売」(5分特集)
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